製品化に突入したナノテク
ナノテクノロジーはバイオ、ITと並んで次世代型産業技術の中核といわれます。世界の研究者や企業が研究を進めてきた「夢の技術」。それがいま、技術研究から製品開発の段階に入ってきました。とくに日本では、世界に先駆けてナノカーボン素材、フラーレンの商用化が本格化。ゴルフクラブやパソコンの液晶画面などの消費財から、燃料電池、医薬品までナノテクを使った画期的な製品が誕生しつつあります。
個別の産業をみれば、小型化・集積化が要求されるITエレクトロニクス産業は、すでにナノレベルに突入。さらなる小型軽量化・大容量化のためナノテクの応用が不可欠となっています。
バイオ産業でも、新たな研究・製品開発分野として「ナノバイオ」への期待が高まっています。製品開発という点では最も注目されるのが、薬物伝達システム(DDS)と呼ばれるもの。ナノテクを応用して薬品を患部まで運搬し、従来以上の薬効をもたらすと同時に、副作用を軽減。このほか、人工臓器の開発なども製品化が目前です。
世界最高性能のSPring-8を活用
(提供 SPring-8)
兵庫県では1997年10月、姫路市の北西に位置する播磨科学公園都市で世界最高レベルの大型放射光施設(SPring-8:Super Photon ring 8GeV)の供用が開始されました。同施設は、日本原子力研究所と理化学研究所が国費約1100億円を投入して建設したものです。
同施設は最大でビームライン62本(赤外物性ビームラインを含む)を設置できます。現在は49本が稼働中(2008年1月7日現在)。国内外の研究者が共同で使用する「共用ビームライン」、外部機関が建設し専有して利用する「専用ビームライン」(うち兵庫県専用ビームライン2本)、日本原子力研究所と理化学研究所が独自研究に利用する「原研・理研ビームライン」の3種類があり、共用ビームラインでは半年ごとに研究課題を募集。国内外の研究者に広く開かれた、汎用性の高い先端的な施設として機能しています。
newSUBARUで産業応用研究が可能
 隣接地には兵庫県立大学(旧・姫路工業大学)高度産業科学技術研究所の研究施設として、日本の大学では最大の中型放射光施設ニュースバル(newSUBARU)があります。本格的な放射光の利用開始は2000年1月。これはSPring-8の電子ビームで作動し、産業応用研究に使われています。
同研究所は光科学技術を中心とした最先端の科学技術を研究。同時に、企業等との共同研究によって新産業の技術基盤を生みだし、産業支援を行うことを目的としています。ここでは分析から試作品の加工まで、一連の作業を行うことができます。したがって、ナノレベルの分析や加工をするうえで、民間企業が姫路エリアに拠点を置くことは大きなメリットがあるといえます。
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